FRBの問題点と責任
アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)も、サブプライム問題の発生に大きく関わっています。
サブプライム問題が表面化した2007年夏以降、FRBはなし崩し的に利下げを行い、信用収縮の解消に努めました。当時は「利下げを行うことはモルヒネ療法(その場しのぎ)に過ぎない」という批判もありました。またアメリカでは物価上昇が続いていたので、利下げすることは過度なインフレを生む危険性もはらんでいます。
しかしサブプライムローンの延滞や不渡りが激増し、信用収縮による金融不安が起こっていた情勢を考えると、副作用はあっても利下げはせざるを得なかったと考えられます。バーナンキ現FRB議長の選択は、現段階では正しかったと言えるでしょう。
FRBが問題だったのは、サブプライムが表面化した後の対応ではなく、そもそもサブプライムローンを生み出す元凶を作り出したことにあります。2000年のITバブル崩壊や2001年の同時多発テロを受けて、FRBは政策金利を1%にまで下げましたが、それらの悪影響が落ち着きを取り戻した後も、低金利政策を続けました。当時のFRB議長は、アラン・グリーンスパン。あのブラックマンデー(1987年)の時から議長を務めているという、金融界のドンです。
グリーンスパンが続けた低金利政策が、市場にカネ余りの状態を作り出し、歴史的な住宅バブルを生む原因となりました。同時に、世の中が低金利であると高利回りの商品がよく売れるようになるのは自明の理です。サブプライムローンは高金利(=ハイリスク)であるために、それを含んでいる債券は必然と高利回りになり、人気を呼ぶことになりました(それに対して格付け会社が高格付けを行ったことが拍車を掛けた)。
もしFRBがもっと急ピッチに利上げを行っていれば、ここまでの住宅バブルは生まれず、サブプライム債券の利回りの良さというメリットも薄れるため、サブプライムローンがここまで拡大することも無かったかもしれません。
さらにグリーンスパン議長が「我々中央銀行は、バブルを解消することはできない」などと、金融当局の最高責任者としてあるまじき発言を行ったことも、余りに無責任といえます。バブル=経済の行き過ぎをコントロールできないのなら、FRBの存在意義は何だというのでしょうか?
グリーンスパン前議長の少々無責任?な発言集
| 9/13 |
米CBSテレビのインタビューでサブプライムローン)問題に触れ、2006年1月末の退任直前まで「事態の重大さに気づいていなかった」と一応反省する。 |
| 9/17 |
自身の新著「波乱の時代」にて、サブプライムローン問題を「融資基準緩和のリスクには気づいていたが、住宅保有層の拡大を考えればリスクを取る価値はあると思った」とのたまう。また2003年6月に政策金利を1%にまで下げた時には「利下げによってバブルが発生するリスクを取ることもいとわないと考えた」と、住宅バブルの生みの親であることを居直るような発言も。 |
| 10/21 |
公演で「サブプライム危機は起こるべくして起こった」と他人事発言。しかも「失敗には価値がある」と、住宅ローンの証券化が金融業界の発展に必要だったとのたまう。そのせいで世界の金融市場が大混乱しているというのに・・・。 |
| 12/17 |
テレビ出演時に「問題解決の為に公的資金を投入すべきだ」と他人事のようにのたまう。 |
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