サブプライム問題のアメリカの株式や為替への影響
サブプライム問題により、世界の投資家のアメリカ離れが加速しています。アメリカ経済が負のスパイラルに陥り始め、リセッション(景気後退)局面を迎えているとの見方が強くなっています。(詳細は前項:アメリカ経済への影響にて)
アメリカの株式相場は、2007年トータルでNYダウ平均が約6%、S&P500指数が約2%と、かろうじてプラスで終わりました。しかしこれは、世界の市場の中では低調なリターンであり、BRICs諸国では40%超、特に中国の上海総合指数に至ってはほぼ倍増しており、アメリカ株式市場の魅力は確実に薄らいできています。
そして2008年年明けよりアメリカの株価は暴落し、1/18の段階でNYダウ平均は年初来より約10%下落しています。また為替相場のドル安基調も強まり、あらゆる通貨に対して米ドルは全面安の展開が続いています。ドル=円相場も、2007年終わりの112円62銭から、106円63銭(1/18終値)と、半月ほどで6円もの円高が進みました。
世界のマネーは確実に、アメリカから逃避しはじめています。そしてこの流れは、最低でも2008年前半まで、悪ければ向こう数年間は変わらないだろうと言われています。その原因は、サブプライム問題の解決の糸口が見えないからです。
アメリカの大手金融機関は、4半期決算の度にサブプライム関連の損失額が膨らんでいます。これは年々利息が上がっていくというサブプライムローンの性質上、避けられない問題です。
また、金融不安を解消するために米FRBは利下げを繰り返していますが、このことが逆にインフレ懸念を強める形になります。原油など資源価格の高騰が原因で、アメリカでは物価上昇圧力が強まっているので、この状況で過度の利下げを行えばインフレの進行を加速させ、経済に悪影響を及ぼす危険性が高いのです。例えば日本並みの水準にまで政策金利を下げれば、金融不安は大幅に解消されますが、物価が高騰して個人消費は逆に大幅に落ち込みます。
アメリカ一強時代の終焉へ
このようにアメリカ経済は、非常に厳しい局面に立たされています。元々世界経済はアメリカの一極集中によって成り立っており、その危険性ははるか昔より指摘されていました。ヨーロッパ圏で共通通貨「ユーロ」が生まれ、経済の自由化が進められているのも、アメリカ経済やアメリカドルの一極集中によるリスク回避・対抗軸作りの為です。
サブプライム問題で米ドルへの信用不安が極度に高まっている情勢を考えると、今後は世界のあらゆる通貨に対してのドル安基調は、当面続くだろうと予想されます。米ドルは世界の基軸通貨の地位を失い、ユーロとの2大通貨時代が来ると考えられます。
またアメリカの株式市場への資金流入は減速し、金などの実物資産や原油などの商品市場、あるいはBRICsなど新興国の株式市場へと向かう傾向が強まると予想されます。いずれにせよ、アメリカの一強時代はもう終わったと見る専門家が多いようです。
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