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サブプライムローン問題のアメリカ経済への影響

サブプライム問題が表面化したことで、アメリカ経済への悪影響が徐々に深刻化し始めました。悪影響は主に、下記の項目が挙げられます。

(1). 住宅の供給過剰による価格下落
(2). 個人消費の落ち込み
(3). アメリカ金融機関の損失拡大
(4). 利下げによるインフレ懸念
(5). 米ドルや米国株の全面安展開

まず(1)ですが、アメリカの住宅価格はそもそも「バブル」であるとの指摘は、サブプライム問題が表面化する以前から多くの専門家より言及されていました。住宅市場では

サブプライムローンの普及
低所得者層でも住宅が買えるようになった
新築・中古を問わず、とにかく住宅が売れまくる
住宅価格が上昇する

という、一見好循環に見える状況がおきていました。しかしサブプライムローンの返済延滞者が増え、住宅の差し押さえが増えることで状況は一変しました。差し押さえにより住宅供給の過剰が進んで価格が下がる一方で、ローンの審査が厳しくなり借りれない人が増えたのです。値下がりしても住宅が売れない⇒ますます住宅価格が下がるという、負のスパイラルが始まってきています。

そして、延滞者や不渡りが増えることで、サブプライム債券の価格が暴落し、それらを大量に抱えていたアメリカの銀行や証券会社が大量の損失を出し、経営難に陥りつつあります(3)。これについては、アメリカ大手銀行の損失額のページで詳しく。

このように金融市場の不安(信用収縮)が高まっているので、FRBは利下げで対応を続けています。確かに利下げを行えば、市場の資金流動性が高まり、信用収縮は和らぎます。しかし同時に、利下げすることでインフレ抑制が出来なくなり(4)、個人消費に悪影響を及ぼす危険性が高まります(2)。

過度のインフレは経済にとって悪影響なので、通常は国の中央銀行などが利上げを行うことで、過度な設備投資などが抑制され、物価上昇を抑えられます。現在のアメリカでは、原油価格の高騰などが原因で、物価は上昇傾向にあります。利下げすれば金融不安は和らぐものの、インフレ進行による経済悪化を招く危険性が高まります。FRBは、このトレードオフ(二律背反)な経済状況に当分の間悩まされることになります。

このように住宅を差し押さえられる人が増えたり、金融機関の経営不安が表面化することで、アメリカ経済自体も負のスパイラルに陥り始めています。失業率が悪化する一方で、物価は上昇基調にあり、個人消費も減速しはじめました(2)。アメリカ経済は、GDPの約7割が個人消費で賄われており、個人消費の落ち込みは即、アメリカ経済の減退に繋がります。

アメリカ経済は、すでにリセッション(景気後退)に入ったという専門化も増えはじめました。2008年年明けより発表された各種経済指標の数値は悪化しており、また株価やアメリカドルも急激に値下がりしています(5)。これについては、次項「アメリカの株式や為替への影響」にて。

 


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