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サブプライム問題の中国など新興国への影響

サブプライム問題の震源地はアメリカですが、ヨーロッパや日本など先進国の金融機関でも、債券の一部として所有するなどで損失が発生しています。では、アメリカ経済とは縁が薄そうな新興国の経済や株式に影響はあるのでしょうか?

2007年末あたりまでは、アメリカ経済と中国などの新興国経済とは”デカップリング※1”を強めていくだろうとの予測が大半でした。サブプライムの影響で、世界の投資マネーのアメリカ離れは加速するが、その分が原油や金などの商品市場や新興国市場に回るだろうと言われていました。

実際に2007年度トータルの株式騰落率では、アメリカや日本が苦戦するものの、BRICs諸国など新興国の株価は大幅に上昇しました。

指数名 年初指数 年末指数 年間騰落率
日経平均株価 17353 15307 -11.8%
ダウ工業株30種平均(アメリカ) 12474 13264 +6.3%
ナスダック(アメリカ) 2423 2652 +9.5%
S&P 500(アメリカ) 1416 1447 +2.2%
上海総合指数(中国) 2675 5261 +96.7%
BSE SENSEX(インド) 13942 20286 +45.5%
RTS(ロシア) 1820 2629 +44.5%
BOVESPA(ブラジル) 45383 63886 +40.8%

しかし、状況は決して楽観できるものではありません。例えば上海総合指数は、2007年10月のピーク時には6000ポイント台を付けたものの、その後暴落して2008年1/20現在5180ポイントまで低下しました。中国株の投資信託の中には、ピーク時より30%以上も基準価格を下げたファンドもあります。

中国株は2006年度あたりから、すでに相当バブルな状況だと言われ続けていました。大きな株価調整が来るのも時間の問題と考えられていたので、サブプライム問題が引き金となってその調整が入ったとも見て取れます。

また、アメリカ経済のリセッション(景気後退※2)の悪影響が出てくることも考えられます。中国の最大の貿易相手(輸出先)は、言うまでもなくアメリカです。アメリカ経済が減速すれば、中国からの輸出も鈍化して、中国経済にもマイナス影響が出るでしょう。

それでも中国やインドは上昇していく!?

しかし中国では、富裕層の拡大と共に証券口座が1億口座を超えるなど、猛烈な株ブームが到来しています。中国では外国への投資は規制されているので、中国人は基本的に中国株を買うしかない状況です。今後も証券口座の増加基調が続くことが予想され、ヘッジファンドなど外国人が株を売っても中国人が買い支えていくと予想する専門家も多いです。

株に熱中する国民が多い為、中国政府は株価を暴落させないような対策を取ってくるだろうという専門家もいます。北京オリンピック前に経済が混乱をきたしては、中国政府の面子が丸つぶれですし、せっかくのオリンピック景気の腰を折るのは避けたいでしょう。

そもそも中国は、サブプライム問題の震源地=アメリカ本土ほどの大きな経済減速が起きる訳ではないですし、元々の経済成長率もアメリカなどの先進国とは比べ物にならない位に高い訳です。株価の調整はあっても、長い目で見れば株価の上昇基調は変わらないのでは?

これはインドなどBRICs諸国や他の新興国にもいえることですが、基本的にサブプライム問題の悪影響はあっても、経済成長の基盤が崩れる訳ではありません。そのため、ヘッジファンドなど気の短い投機マネーが一時的に株式市場から手を引くことはあっても、サブプライム問題の悪材料が出尽くせば、再び新興国の株式市場に資金が戻ってくることは間違いないでしょう。

※1 デカップリングとは、経済用語では異なる動きをするという意味。つまりアメリカ景気が減速しても、新興国の景気はその悪影響を受けず上昇するという予測です。
※2 アメリカは2008年度の経済成長率が2%未満に落ち込むことは確実と見られています。

 


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