サブプライム問題解体新書 難解なサブプライムローン問題を専門用語を使わすに
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円キャリートレード解消による円高&株価下落

前項「日本への影響と金融機関の損失額」にて、対岸の火事と思われていたサブプライム問題が、日本へも悪影響が出てきたことを説明しました。(1)については前項で説明した通りです。

(1) 日本の金融機関もサブプライム関連の債券を持っていることが判明した
(2) 円高が進み、輸出関連企業の業績が悪化した
(3) 日本株が先進国で最も下がった

そして(2)や(3)についてですが、サブプライム問題の表面化以降、急激な円高が進みました。そして輸出頼みの日本企業の業績は悪化しました。そしてあろうことか、日本株全体でもアメリカ以上の下落に見舞われたのです。株や為替で損失を被った投資家の方も多いのではないでしょうか?

これらは、サブプライム問題で金融市場に不安が広がったうえに、アメリカやユーロ圏で利下げが相次いだことで、円キャリートレード解消の動きが起こったことが原因です。

円キャリートレードとは、金利の安い日本でお金を借りて、利回りのよい海外市場で運用して利益を上げようという投資戦略です。この動きが、米ドルに限らず世界のあらゆる通貨に対して、過度な円安を作り上げました。

円キャリートレードは金融機関の投資部門やヘッジファンドの常套手段でしたが、最近ではFX(外国為替証拠金取引)を使って、個人投資家でも円キャリートレードを行う人達が増えていました。例えば円売り=ドル買いをすれば、スワップポイントと呼ばれる形で、日米の金利差額が受け取れます。2007年上旬の段階では、1万ドル(=約120万円)の投資で、年間5万円程度の金利が受け取れる計算でした。その為FXは「手数料の安い外貨預金」と捉えることが出来るので、2006年辺りから個人投資家の間で流行するようになりました。

しかし金融不安による世界的な株安や、アメリカなど先進国の急激な利下げによりによって、投資妙味が薄れたことで、借りていた円資金を返済する動きが活発化され、急速な円高が進行しました。また個人投資家でFXをしている人のほとんどが円売り=ドル買い取引を行っており、円高進行による損失拡大⇒ドル売り強制決済が多発したことも、円高に拍車をかけました。

このような円キャリートレード巻き戻しによる混乱は、日本の超低金利政策による弊害です。日本の政策金利(公定歩合)は世界一の低金利なので、金融機関からお金を借りる場合も世界一の低金利で済みます。このため金融市場で、日本から資金調達しようという動きが出るのは当然の流れです。

とはいっても、今日本が金利を上げれば、間違いなく日本経済や国民生活に悪影響が出ます。一部の大企業と金持ちだけが儲かっていて、中小企業や国民の大半が給料が上がらず苦しんでいる現状では、日銀が金利を上げれば国民生活がさらに悪化するのは目に見えています。2008年度に入って、政府与党内からも「日銀は再度利下げすべきだ」という声すら挙がり始めています。

日本の政策金利を決めている日銀は、本音では金利を上げたいものの、経済情勢を考えると当面利上げは無理な状況です。つまり日銀もFRB(利下げによる金融不安解消とインフレ懸念の二律背反に悩む)と同様に、金融政策が非常に難しい局面を迎えているといえます。少なくとも2008年度前半は、日本株や円の為替レートは、相当不安定な値動きになることでしょう。



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