サブプライムローンとは?
サブプライムローンとは、アメリカの金融機関が扱っている低所得者層向けの住宅ローンのことで、アメリカの全住宅ローンの約14パーセントが該当すると試算されています※1。1990年代後半より利用が一気に拡大していき、アメリカ経済の好調の原動力であった「住宅バブル」を作り上げた最大の原因です。
低所得者層向けということで、当然ながら利息の高いローンなのですが、少ない収入でも返済していけるような”からくり”が仕組まれていました。そのために低所得者層でも家を購入できるようになり、アメリカの住宅市場は常識の範囲を超えた活性化(=住宅バブル)の状態になりました。
サブプライムローンの仕組み
そのサブプライム住宅ローンのからくりのひとつは、多くの場合で、最初の数年間は低利息でその後急激に利息が上がる仕組みが取られていることです。最も多いのが、最初の2年間が固定金利、その後に変動金利となるパターンで、全体の70%強が該当します。
その為ローン会社は、利息が上がる段階で(住宅を担保として)他のより低利息なローンへの借り換えを行うことを薦めていました。当初はアメリカの住宅価格は年々上昇を続けていたので、担保価値も年々上昇しており、数年後には借りた時よりもより低金利で有利なローンを組みなおす(借り替える)ことも可能でした。
はじめの数年間の低利息と、将来的に低金利のローンへの借り換えが可能になるとの勧め文句で、ローン会社は本来とても家など買えないような低所得層の人達にもローンを組ませ、住宅販売を急激に促進させていきました。
中には、月収が20万円にも満たない人達にもサブプライムローンを組ませ、家を買わせていたこともあるようです!アメリカ経済自体も好景気に沸いていたこともあり、労働者の賃金も上昇傾向にあったとはいえ、常識的に考えれば無茶な貸付けであったことは明らかです。しかし、そんな無茶でハイリスクな貸付けが行われた背景には、サブプライムローンのもうひとつの”からくり”があったからです。
それは、住宅ローンが債券化されて金融商品として販売されたことです。ローン返済時には、当然利息を付けて返しますので元本よりも多い金額が手に入りますが、借り手が支払い不能に陥り損失をこうむるリスクもあります。そこでリスク回避の方法として、ローン会社がローンの返済とその利息金を原資として債券を発行し、投資家に販売したのです。

こうすることでローン会社は、回収不能リスクを債券の購入者へと押し付けることができます。債券購入者はリスクを背負う分、(サブプライムローンの高い利息を原資とした)高い利回りを得られ、また債券自体が値上がりすればさらに転売して利益を得る事も可能になります。
現実にはサブプライム債券はそれ単体で売られる訳ではなく、他の金融商品や投資信託などに組み込まれ、セット販売されました。こうすることで、サブプライム債券のリスクは金融市場に『薄く広く』分散されていき、販売量は加速度的に増えていきました。
こうしてサブプライムローンを利用して家を購入する人達が増え、その為住宅や関連する商品・サービスも飛ぶように売れていきました。さらに、低い負担で家を持てるために、住居以外への支出も増えていきました。アメリカ人は元来より消費意欲が旺盛であり(GDPに占める個人消費の割合は、アメリカは約70%、日本は約60%)、個人消費が伸びることでアメリカ経済も好調に循環していきました。
こうしてアメリカ経済はサブプライムローンの普及とともに、2000年のITバブル崩壊や、2001年の同時多発テロなど大きな危機も乗り越え、未曾有の好景気時代を迎えたのです。しかし同時に、深刻な問題を抱えているとも知らず・・・。
⇒サブプライム問題とはへ続く
※1 ちなみにある程度お金のある人向けの低金利なものは”プライムローン”と呼ばれ、住宅ローン全体の4分の3強がプライムローンに該当します。
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